起業をするうえで、軌道に乗せるための起爆剤、あるいは呼び水となる手段の一つがイベント集客です。
このイベントを成功させることで事業がうまくいき、あるいは製品やサービスに注目が行くようになります。
しかし、具体的にどんな失敗があり、どんな性向があるのかということを知らないでイベント集客を行うのは不安なことが多いのではないでしょうか。
今回具体的な失敗事例、成功事例を挙げていきどういった傾向があるのかということをお話しし、その上でイベント集客を成功させる効果的なものは何かということを提示し、イベント集客の成功を少しでも高めるポイントについてお話しします。
この記事を読めばイベント集客が失敗する傾向、成功する傾向について知ることができます。
Contents
イベント集客の失敗事例
イベント集客の失敗事例として三つの事例を紹介していきます。
その事例とは、下記の3つです。
- 某県のある地方の市民祭り
- 工芸製品の展示のイベント
- 自社商品のお試し会
某県のある地方の市民祭り
某県のある地方の市民祭りはハロウィーンをメインにしての開催を行いました。
この理由として、単に東京などの都市部で流行っているので、この地方で行えば流行るだろうというものです。
これは具体的なビジョンや目的を持たず、ただ思い付きで行ってしまった事例です。
また主催者があいまいだったため商工会なのか市なのか、あるいは町内会のイベントなのかよくわからず、ただ市民のためという目的でターゲットがあいまいだったままの開催でした。
そしてスケジュールも問題で近隣の町で行われる全国的にも有名な合戦祭りと同じ日にしてしまったのです。
そのお祭りから人が流れてくるだろうという予測で行ったのです。
結果としてターゲットがあいまいでよく分からないイベントを行い、しかも完全に有名なお祭りの陰に隠れてしまって集客できず失敗してしまった事例です。
しかも、反省点があいまいなまま毎年行われている市民祭りは開催のたびに盛り上がりに欠けています。
工芸製品の展示のイベント
2つ目の失敗事例は工芸製品の展示販売イベントです。
これは価値の高い無料のクロストークショーで天然素材にこだわった染め物を手掛ける企業の代表者と農業で非常に品質の高い野菜作りを行っている代表者です。
共に小規模になりがちな分野でありながら10名前後の雇用があり、小規模事業者には少ない、ある程度の生産力があるという点で非常に興味深いイベントでした。
しかし、
- 告知がイベント1週間前という遅きに失したという点
- どのような理由でこの二人を選んだのかというイベントの内容があいまいだったという点
- 肝心の売り上げにつなげる販売スペースをイベント会場から離れた場所(車で7分)に設定してしまった
という点です。
このようにトークショーの内容は良かったものの、告知が送れたということと、このイベントの目的があいまいだったこと、しかも肝心の販売スペースを極端に離してしまったことなどが失敗につながった事例と言えます。
自社商品のお試し会
3つ目の自社商品のお試し会ですが、これは某コスメメーカーが開催した、自社商品のお試し会イベントです。
これは多くの企業が行いがちなイベントでしたが、失敗に終わりました。
失敗した理由として、
- 自社製品がもともと認知度の低いものだった点
- 会場で化粧を落とさなければならないという点
です。
見ず知らずの化粧品のお試し会にわざわざ足を運ぶ方が少なかったうえ、更に化粧を落としてその化粧品を試すという非常に敷居の高いイベントになってしまったのです。
これは自社製品をPRしたいがために参加者の目線に立ったイベントを行わなかったのが原因と言えます。
つまり、参加者に利点よりもデメリットを連想させてしまったという点が失敗事例となってしまったということです。
この3つの失敗事例は、
- ターゲットや目的が不明確
- 主催者が何者か分からない
- 利用者にとってデメリットが多いと感じさせてしまう
- 自己の認識の甘さと言った思い付き
- 相手にネガティブなイメージを植え付けてしまった
という理由で失敗してしまった可能性があります。
イベント集客の成功事例
イベント集客の失敗事例を最初にお話ししましたが、次はイベント集客の成功事例を下記の4つ紹介します。
- 地方商店街の夜市
- カーディーラーの詰め放題イベント
- 情報サイトと女性誌のコラボ企画
- 健康イベント
地方商店街の夜市
地方商店街の夜市はシャッター街になりつつあった駅前商店街が一念発起して以前行われていた夜市を復活させたイベントです。
当初は多くの地域イベント同様はっきりしない目的、はっきりしない対象と言ったあいまいなイベントに流れそうになりましたが、実際にチラシの原案を見て、様々な意見が飛び交いました。
- 地元のお客様がまた集まるきっかけにしたい
- 近所の家族連れに来てもらいたい
- 楽しいところと感じてほしい
- 商店街のメンバーも元気になってほしい。
それが目的になっていったのです。
それによってイベントのコンセプト「昔懐かしい家族のお祭り」ができ上がり、告知を行ったところ年に3回行われる大きなイベントへと発展していきました。
そして参加者に喜ばれることを意識したイベントを行ったということが成功のポイントです。
カーディーラーの詰め放題イベント
2つ目の事例は詰め放題イベントは多くのイベントで行われるものですが、その中でも特に成功を収めたカーディーラーの詰め放題イベントを紹介します。
これはイベントの内容もそうなのですが、告知に利用したダイレクトメールが決め手となったものです。
約1万部発行された、そのダイレクトメールのつくり方が工夫されていたのです。
なんと大きなダイレクトメールがそのまま詰め放題の袋になってしまうという構造の特殊なものです。
これによって対象者に袋詰めというメリットが多いイメージを直接連想させることができ、多くの方に参加してもらえました。
イベントは内容も重要ですが明確な対象者に対して効果的な告知を行うことも成功の要因という事例です。
情報サイトと女性誌のコラボ企画
3つ目の事例は情報サイトと女性誌のコラボ企画です。
イベントで指定されている店舗で購入した商品を使用してテーマに基づいたコーディネートをInstagramで投稿するという内容で、指定された店舗の活性化や関心を深めることを目的としたイベントです。
これは大手企業が参画したのでテーマが明確で、Instagramを利用して多くのユーザーに関心を持たせ、更に女性誌でも告知したことが成功に結び付きました。
この点を踏まえると、SNSを活用した集客は大いに成果の出やすいものと言えるでしょう。
健康イベント
4つ目は健康イベントです。
ドクターフィッシュを使ったイベントで、健康器具のPRイベントを行った事例です。
これは目的も関連したものでよかったのですが、知ってるけれど体験したことがないというモノに注目し、ドクターフィッシュは知っているけど体験したことがないという参加者の視点をうまく利用したものです。
もちろん無料体験イベントという形でのイベント集客なので、大きな成功を収めました。
このように明確な目的や内容、参加者の利益になるようなイベントを行うと成功に結び付きやすい傾向にあります。
成功事例から考える効果的なイベント集客方法とは
成功事例から考える効果的なイベント集客方法についてもお話ししていきます。
それは5つあり、
- 目的や目標を明確にする
- ターゲットとなる人物像
- 参加するまでのステップを意識
- 集客を行うチャンネル
- 認知が体験よりも勝っている体験イベントを加える
というものです。
目的や目標を明確にする
目的や目標を明確にするというのは、地方都市の商店街のイベントで見られたように商店街に地元の人を呼び込むことや商店街のメンバーの活性化という明確な目的があることで成功を収めました。
このことから、なぜイベントを開催するのか。
何を目標として、イベントを開催するのかが非常に重要ということですね。
ターゲットとなる人物像
ターゲットとなる人物像も重要です。
ただ、客と言うわけでなく再び商店街の例を挙げますが、昔商店街を利用した方とその家族という明確なターゲットに絞るというのが重要なポイントです。
これは全ての成功例に言えることで詰め放題イベントも一度以上自分の会社を利用し、車を購入したことがある顧客というターゲットや女性誌の読者と言ったターゲット。
そして、健康に興味があるドクターフィッシュを知っているターゲットというような形で集客を漠然とした不特定多数ではなく、興味がある層を明確にし、それを狙い撃つようにして告知などを行うということも重要な成功ポイントです。
参加するまでのステップを意識
ディーラーの例のようにダイレクトメールを袋にして、その袋(ダイレクトメール)を持ってディーラーの店舗に来てもらうという告知を見て、来客に至るまでの導線とも言える流れをきちんと明確にすることも大切です。
化粧品の失敗例にあったようなそこで参加者の利益になるか、不利益になってしまうかということをきちんと想定しておき、利益となるようなイベントのデザインを行うことも今後の継続に向けた成功のポイントです。
集客を行うチャンネル
女性誌と言った強力なチャンネルを持っている場合はそれをうまく利用することで大きな成功を収めることができます。
そうでなくともInstagramのようなSNSやディーラーが利用したダイレクトメールと言った手段も大切な方法です。
このようにチャンネルの意識も成功を収める秘訣です。
とはいえ、巨大なチャンネルでなくとも、SNSを普段から活用し、少しでもフォロワーを増やしておくことは大切と言えますね。
認知が体験よりも勝っている体験イベントを加える
最後がイベント内容です。
その内容が知っているけど体験したことがないという種類のものであれば、多くの集客が期待できるのです。
これはシンプルですが、意外と多くのイベントでおざなりになっているケースが少なくないため注目のポイントです。
まとめ
イベントの集客は非常に重要です。
そのため、つい自分たちの都合ばかり目が行ってしまって、
- 利用者は自分たちのことを知っているだろう
- 目的も分かってもらえるだろう
- 喜んでもらえるだろう
と言っただろうという安易な予測は失敗を生みます。
そういったことを避けるために成功事例から学べることは、
- 目的や目標を明確にする点
- ターゲットとなる人物像
- 参加するまでのステップを意識
- 集客を行うチャンネル
- 認知が体験よりも勝っている体験イベントを加える
といった5つのポイントが挙げられます。