フリーランスの経費はどこまで落ちる?できるモノ・できないモノ一覧も紹介!

フリーランスとして仕事をする・したい人にとっては“経費“というのはかなり気になる点です。

経費について知っているようで詳しくは知らないという方が多いかと思います。

フリーランスとして仕事をする上で働き方も大切ではありますが、働く上で一生ついてくる経費について今回は詳しくご紹介いたします。

そもそも経費とは?

経費とは、主に事業を行うために使用した費用のことを言います。

もっと簡単に説明をするのであれば、“会社関連の費用の使用“になります。

ちなみに経費という言葉は「経常費用」の省略語で分野によって特定の意味を持っています。

「原価計算」という分野では、製造原価のうち“材料費“と“労務費“以外のものを経費と言います。

原価についてもっと詳しく説明をすると、「製造直接費」は直接材料費や直接労務費、直接経費に振り分けられます。

「製造間接費」は関節材料費や関節労務費、間接経費として振り分けられます。

そして「所得税法における経費」というものもあり、所得税法の経費は「必要経費」とされています。

この必要経費(所得税法における経費)とは、所得税法の規定により所得金額を計算する際に収入金額から“控除“される支出金額のことを言います。

ちなみに「経費で落とすから領収書貰っといて」「これは経費だから」などと言う言葉が会社内でよく使われているかと思います。

“経費で落とす“ことには意味があり、経費で支払うことにより会社で支払う税金が少なくできます。

例えば1年での売上金が1000万円の場合利益は100万円だとします。

利益が100万円とし、このお金を何も使わないと法人税が40万円になり、60万円会社に残ることができます。

ですが、会社の決算までに10万円程のパソコンを1台買い替えると利益は90万円となり法人税は36万円と、経費にすることで会社が支払う税金を4万円程安くすることができます。

少額の使用であっても経費として落とした方が会社としては税金を安く済ますことができ、賢く運営することができます。

経費の注意点

経費の様々な注意点を詳しくご紹介すると、「租税公課」の注意点としては法人税や都道府県税は所得の中から支払われる税金なので租税公課として含まれません。

その理由としては追微課税や延滞金、その他科料なども法律違反による罰金のため租税公課に含まれないということです。

「修繕費」の注意点としては部屋の模様替えや非常階段の設置、手すりの設置などの原状回復以上の機能の場合は“修繕“とはなく“固定資産“にしなければなりません。

「荷造運賃」の注意点として、例えば商品発送が主な仕事内容の場合、荷造運賃の経費は高額になります。

そのため荷造運賃の資材購入に100万円を使い期末時点で半分以上の資材が余っている場合は100万円分の資材料金ではなく、使用分のみを按分して経費計上をしなくてはなりません。

ですが、海外に商品を発送する場合は消費税が関係なくなるため“非課税“として扱います。

「広告宣伝費」の注意点としては、特定の人に向けたノベルティグッズの贈答などは“交際費“として扱わなければなりません。

ですが、広告宣伝効果がはっきりとしているノベルティーであれば、“広告宣伝費“として扱えます。

「保険料」としての注意点としては、積み立ての支払いは保険積立金として資産計上をしなければなりません。

「消耗品費」の注意点としては、取得価額が10万円以上または使用可能期間が1年以上のものを購入した場合は固定資産計上し、“毎年減価売却“をしなければなりません。

「雑費」の注意点としては、使いすぎてしまい毎回必要以上に額が大きいと、“使途不明金“として税務署から指摘を受けることがあります。

そのため雑費とはいえ、使用のし過ぎには注意が必要になります。

「福利厚生費」としての注意点は、会議費や接待飲食費等の境目が曖昧で過度な経費計上をしてしまうと、税務署に現物支給と判断されてしまうことがあります。

もし現物支給と判断された場合は“給与“となり、個人の所得税や社会保険料、会社の保険料などの支払いが増える可能性が高くなります。

フリーランスの経費はどこまで計上できる?

フリーランスとして仕事をしている場合、全て自分で申告しなくてはならないためどこからどこまでが経費として扱っていいのか分からず、曖昧な計上をしているという方も多いはずです。

フリーランスとして仕事をしている方が経費として計上して良いものは、自宅をオフィスや事務所にしている場合家賃として必要経費として落とすことができます。

また、自宅をオフィスや事務所にしている場合水道光熱費も発生してきます。

その場合の水道光熱費は、“家事按分“の対象になります。

経費として落とすことはできますが、地代家賃における家事按分係数を流用することになります。

フリーランスとして仕事をしていると自分自身の宣伝が必要になります。

その広告宣伝費も経費として扱うことができるのですが、これは“業者に発注した場合“です。

自分でチラシや年賀状等の作成をした場合は印刷や利用したインク代が“消耗品費“となり、はがき等は“通信費“として計上することになります。

そして旅費や交通費は、“旅費交通費“として経費で落とすことができます。

旅費や交通費を経費として落とす場合はレシートや領収書、明細等を全て保管しておく必要があります。

また、領収書やレシート、明細等は基本的に保存義務期間として7年間保管しておかなくてはならないので「申請が終わったから捨てちゃおう!」ということはしないでください。

他には仕事をする上で必要な新聞、書籍購入等は“新聞図書費“にでき、仕事をする上で必要な郵便料金や携帯電話、固定電話等の費用は“通信費“になります。

大事なお客様と接待をした場合、“接待交際費“として経費で扱うことはできるのですが、接待交際費は仕事なのかプライベートなのか非常に判断しにくい経費になります。

そのため接待交際費が必要以上に使われている場合確定申告時に税務署から指摘を受けることがあります。

他には外注工賃租税公課給料賃金や諸会費消耗品費減価償却費を計上することができます。

経費にできるもの一覧

カフェでの飲食代を経費にすることができます。

もちろんただの食事では経費にすることはできませんが、取引相手との打ち合わせやカフェで仕事をした場合に“雑費“として扱うことができます。

打ち合わせでのカフェの利用であれば“交際費“として扱うことができます。

また、意外と知らない方が多いのですが、実はご祝儀や会葬の際に必要となるお香典は取引相手や仕事上での関係がある方であれば経費として扱えることがあります。

ですがこうしたお香典は領収者がないため金額や日付をメモし、証拠となる案内状などを提示することが条件となります。

経費にできるもの一覧としては以下になります。

・租税公課
・荷造運賃
・水道光熱費
・旅費交通費
・通信費
・広告宣伝費
・接待交際費
・損害保険料
・修繕費
・消耗品費
・減価償却費
・福利厚生費
・給料賃金
・外注工賃
・利子割引料
・地代家賃
・賃倒金
・雑費
・専従者給与

経費にできるものをしっかりと把握しておかないと“損“をすることになります。

経費で落とせるものなのに経費として扱わず、自腹で支払ってしまった場合年間にして数万円~数十万円の損をしてしまうことにもなります。

フリーランスで活動するとなるとお金の管理は自分でしなくてはなりません。また、フリーランスだからこそ1円単位でしっかりと細かいところまで把握する必要があります。

経費にできないもの一覧

経費にできないものを細かくご紹介します。

✔︎租税公課家庭用の自動車関連税、所得税、加算税、延滞税、住民税、相続税、贈与税、交通違反等の罰金や反則金

✔︎水道光熱費家庭用の電気料金、水道料金、ガス料金、灯油購入代・旅費交通費専業主が出張した場合の実費以外は“出張手当“

✔︎通信費家庭用の電話料金、郵便料金、宅配便配送料・接待交際費事業と無関係の飲食費やお中元・お歳暮等の贈答品、ゴルフコンペ等の参加費

✔︎損害保険料事業主自身の生命保険料、損害保険料や自動車保険料のうち事業で使用していないもの

✔︎減価償却費土地または建設中や稼働停止等で実質上使われていない設備機器

✔︎福利厚生費事業主自身の健康診断費用や医療費、残業飲食代や研修会参加費、国民年金や国民健康保険の保険料事業主+家族従業員のみの旅行費用と飲食費

✔︎利子割引料金融機関からの借入金の元金、住宅ローンの元本・地代家賃敷金、同じ家計で生計を営む親族への家賃支払い持ち家の場合の自分自身への家賃支払い

✔︎賃倒金客観的に回収不能と判断されない売掛金や受取手形、賃付金

「経費にできるものとできないものが似ている」と思った方も少なくないと思いますが、簡単に言えば“会社のため“事業でかかる費用“であれば基本的に経費として取り扱えます。

ですが、“自分のため““お金がないから“といった自分本位な費用は経費として扱うことはできないということになります。

個人事業主と法人の経費の違い


個人事業主と法人の経費については大きく分けて2つになります。

社長の支出

個人事業主の社長はプライベートと仕事用の金銭は分かれていません。

そのためプライベートな支出は“経費“として認められません。

もしプライベートな支出として認められてしまうと個人事業主の所得税が増えてしまいます。

ですが会社から雇われている社長の場合は、役割報酬としてお給料を貰っています。

“所得税“と“法人税“の両方を会社は社長に支払っていることになります。

そのため基本的に法人であれば交際費等は経費として扱ってもらうことができますが、扱ってもらえない場合は個人事業主よりも法人の役割の方が大きいダメージを受けることになります。

法人役員は接待費が落ちやすい

個人事業主が接待として複数回キャバクラやホステスを利用した場合、業務上不要な接待費とされてしまうことがあります。

その場合“プライベートな支出“とされてしまうことがほとんどです。

ですが法人の場合業務との関連性が高いものだと認識されやすく、一般的な常識に照らしてアピールすることができればほとんどの接待費が“経費“として扱われます。

これは大きな法人であればあるほど認知度の高い会社になることから、接客マナーの勉強や今後のお客様とのよりよい取引として経費として認められやすいというのもあります。

まとめ

「こんなものも経費で落とせるの?」「経費として落とされないのはちょっと痛い」といった経費があったかと思いますが、経費は個人のためのモノではなく会社のよりよい運営のための資金です。

そこをしっかりと理解していないと後に大変な目に合うこともあります。

フリーランスの方は経費の有無や確定申告など、やらなければならないことが法人に比べて山ほどありますが1つ1つ丁寧に対応し、“脱税“等にならないように気を付けてください。

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