【白色申告編】1年目でもわかるフリーランスの確定申告完了までの具体的手順と流れ

控除額も帳簿作成の手間の観点からもメリットが薄い白色申告。

フリーランスの方なら青色申告一択ですが、フリーランス見習い期間で収入は期待できないと判断して青色申告承認申請書を提出していないケースもあるでしょう。

特に会社勤めと平行してフリーランスを進めていた場合はなおさらです。

そんなときに思いもよらないフリーランス収入があると確定申告を白色申告に頼らざるを得ません。

そこで、そんなフリーランス初心者の方にむけて白色申告の手順を分かりやすく解説します。

フリーランスが確定申告の白色申告完了までの手順と流れ

フリーランスの白色申告3

事前の申請無しに手軽にできる白色申告の手順を一通り紹介します。

可能な限り専門用語を使わずに解説していますので確定申告初心者の方でも問題なく読めます。

白色申告の全体像をつかむため是非読んでみてください。

領収書を集める

白色申告で提出する書類を作成するためには「帳簿」を作成する必要があります。

帳簿というのは、その年の1月から12月にあった事業活動に関連するお金の出入りを記録したものです。

つまり、売上(収入)や経費(支出)に関する取引内容が記載されています。

帳簿に取引を記録することを「記帳」と呼びます。

確定申告をする者にとって重要なのは経費を漏らさず記帳することです。

所得から経費を引くとこで所得税額を減らすことができます。

経費をしっかり記帳するためには取引の詳細が記載された1年分の領収書・レシート・明細書が必要になります。

しかしレシートに記載された取引ならどれでも経費として認められるわけではありません。

経費として扱われる費用にはルールがあり、代表的なものは次のとおりです。

  • 税金や公共料金
  • 商品発送に使用した梱包材
  • 事業活動に必要だった光熱費および水道代
  • 交通費
  • インターネット回線やスマホなどの通信費
  • 文房具やパソコンなどの消耗品
  • ホームページの運営費用
  • 事業に利用している部屋の賃料

この内容に関連するレシート・領収書等を徹底的に集めていきます

経費として計上できる領収書か否かを判断するのが難しいときは、その物品やサービスが事業活動のためかどうかで判断してください。

例えば、休みの日に家族で外食に行った際の交通費は経費になりませんが、オークションで落札された品物を近場の落札者に運ぶのに要した交通費は経費に入れても問題ありません。

また、クレジットカードを利用した物品の購入に関しては注意が必要です。

インターネットから閲覧・印刷ができるクレジットカードの明細書には購入した物品に関する情報が記載されていないケースがあります。

そのため明細書だけでなく記帳の際は領収書も必要になります。

領収書を無くしてしまった場合でもAmazonなど利用履歴で取引内容を確認できるケースもあります。

経費として計上できる費用であるのに領収書など取引を証明できる書類が無い場合は、その費用を記帳するのは基本控えるべきです。

領収書やレシートを紛失した場合は取引先に再発行してもらいましょう。

ただし、電車代や自動販売機で購入したジースなど領収書が無くても経費として認められるものもあります。

帳簿に記帳する

帳簿作成に必要なデータが集まったら取引内容を記帳していきます。

白色申告の帳簿は単式簿記を採用しているので複式簿記の青色申告に比べて初心者にも分かりやすいのが特徴です。

記帳するのは売上と経費に関する取引の「日付」「勘定科目」「金額」「摘要」の4つ。

聞き慣れない勘定科目というのは取引の分類項目です。例えばインターネット料金が分類される勘定科目は「通信費」、商品の梱包材は「荷造運賃」となります。

しかし厳密な統一ルールは無く、何をどの勘定科目に入れるかは申告者の判断に委ねられます。

初心者は取引をどの科目に分類するか判断つきにくいと思いますが、会計ソフトの中には適した科目を提示してくれるものがありますので上手く活用するといいでしょう。

摘要には何を書くのでしょうか?

ここには取引相手方の指名や組織名、または取引した物品などについて記録します。

記帳内容をイメージしやすいように具体的な記帳例を紹介します。

記帳例
  • 8月16日:売上 〇〇さん 27,000円
  • 8月22日:消耗品費 マウス 27,000円
  • 8月29日:交通費 △△鉄道 1,200円

手書きの場合は月ごとに分けてまとめて記帳しておくと後で収入内訳書を作成するときに便利です。

それぞれの勘定科目ごとに総額を合算しておきましょう。

また、どんな帳簿に記帳するかも重要です。

最寄りの文具店などで簡単・安価に手に入る簡易帳簿は手軽ですが記帳には手間がかかり、正確に記載するには簿記の知識も必要になります。

パソコンで会計ソフトを使うという選択肢もあります。価格は1年で1万円ほどになりますが、記入欄を間違えることも大幅に減りますし、簿記の知識が無くても問題ありません。

さらに記帳さえ正確に済ませてしまえば白色申告・確定申告に必要な全ての書類を簡単なガイダンスに従ってすぐに作れます。

確定申告書Bと収入内訳書を作成する

白色申告を用いた確定申告で提出する書類は、以下の2つです。

  • 収入内訳書(2枚)
  • 確定申告書B

収入内訳書は1年間の「売上」「仕入れ」「経費」「家族に払った給与」などの総額を項目ごとにまとめたものです。

この書類の目的は事業所得を算出することです。そして、その額は確定申告書Bに記録されます。

収入内訳書の2枚目には「売上金額」「仕入金額の明細」「減価償却費の計算」「地代家賃や利子割引料の内訳」を記録します。

確定申告書Bは納付する税金の額を算出し、それを記録する目的で作成する書類です。

この書類に関しては青色申告と同じものを用います。

記載内容はその年の「収入」「所得」「控除」「所得税の金額」「専従者控除額」になります。

いずれの書類も1年分の帳簿の記帳に比べたら楽な作業かもしれませんが、手間がかかるのも事実です。

会計ソフトを利用して記帳すれば、これらの書類は15分とかからずにできますから、確定申告にかかる負担を軽くしたい方はソフトの利用を考慮してみてはいかかでしょうか?

書類を税務署に提出する

書類の内容に間違いが無いことを確認したら必要書類を添えて税務署に提出しましょう。

必要書類は経費を証明するための領収書等以外にも、フリーランス初年度の方であれば以前に勤めていた会社からの源泉徴収票および医療控除関連の書類も同封するのを忘れないでください。

提出方法は郵送がいつでもできて手軽かもしれませんが、始めて白色申告する方が一発で何の不備もなく書類を作成できるケースは大変稀です。

税務署に直接足を運んで税理士の方に確認してもらうのをオススメします。

何か問題があった場合に色々聞くことができます。

フリーランスが確定申告の白色申告で知っておいた方が良いこと

確定申告

ここでは初めて白色申告をする方が知っておくべきことを紹介します。

収入があっても確定申告の必要が無いケースも解説しますよ。

また、初心者にオススメの会計ソフトも紹介しちゃいます。

白色申告は控除が無い

青色申告には帳簿を複式簿記で記帳することで得られる65万円の控除があります。

しかし白色申告にはこのような特典的控除は存在しません。

控除を重視するなら年始めに青色申告の申請を出して、青色申告するのがオススメです。

なお、白色申告であっても基礎控除など各種控除が問題なく適用できます。

専従者控除が固定額

白色申告にも家族に払った賃金を控除する「専従者控除」を適用ができます。

しかし、青色申告と違って白色申告では専従者控除の額が決まっています。

家族に多額の賃金を払っていても、その額以上に控除されないので注意が必要です。

白色申告で利用できる専従者控除は次の2つのうち額が小さいものが適用されます。

  1. 賃金を払った家族が配偶者な86万円、それ以外なら50万円
  2. 専従者控除前の所得 ÷ (専従者の人数 + 1)

白色申告する際のおすすめ会計ソフト

会計ソフトを使えば収入内訳書や確定申告書Bを手間なしに作成できるなど多くのメリットがあります。

そんな会計ソフトの中でも白色申告ができるオススメのものを2つ紹介します。

やよい白色申告オンライン




知名度ナンバーワン会計ソフト「やよいの白色申告オンライン」の白色申告特化版です。

フリープランとベーシックプラン(年額税込8,640円)の2つのバージョンがあり、フリープランはなんと機能制限無し無料で使えます。

特徴はシンプルはユーザーインターフェース。必要最低限の機能に絞ったことで初心者でも使いやすいのが特徴です。

利用者が多く情報が得られやすいのも初心者には助かるでしょう。

青色申告が可能な通常版もありますから、先を見越して「やよいの白色申告オンライン」の使い方に慣れてみてはいかが?

マネーフォワード


これ1本で白色申告と青色申告のどちらにも対応可能な会計ソフトです。

マネーフォワード動作が軽くキビキビ動くので作業スピードの面で優れています。

銀行口座から自動的に取引明細を取得し記帳してくれるので作業の効率化にも効果があります。

また、クラウドワークスやランサーズにも対応しているので、これらクラウドソーシングサービスを利用している、または利用する予定がある方は、マネーフォワードクラウド今から使い慣れておくといいでしょう。

白色申告で起きる推計課税のリスク

税務署に提出された帳簿に不備があり信憑性がない場合などに、税務署がルールに従って所得税を推定することを「推定課税」と呼びます。

推定の税額は規模の近い同業者の平均的な利益から推定して求められるため誤差が大きくなる問題があります。

特に事業を始めて間もない頃は、平均値で所得を推測されると無用の税金を求められことも多いです。

しかし、青色申告の帳簿をつける手間や税理士費用を考えると白色申告で推計課税された方がお得なケースもあります。

逆に言うと白色申告のメリットはそれくらいしかありません。

ネットオークションの収入は課税対象にならないものがある

急遽白色申告する必要になった方の中にはオークションで私物を売って収入を得た方もいるでしょう。

ネットオークションで得た収入も一定の額を超えたら申告義務があると考えている方も多いと思います。

しかし、出品した品物に寄っては課税対象にならない品物があることを知っている方は少ないでしょう。

実は自分や子供が着た衣服をオークションで販売して得た利益は課税対象になりません。

衣服や家具、通勤用の自動車など生活に欠かせないものは「生活用動産」と呼ばれ、それらを譲渡することで得た所得は課税対象にならないのです。

そのため自分が保有する生活用動産を売って申告義務が発生する額以上になっても申告しなくてかまいません。

フリーランスの確定申告白色申告編のまとめ

白色申告は平姓25年までは帳簿が不用なお手軽申告として重宝されましたが、法律の改正後はそのメリットも無くなり、個人のフリーランスには魅力的な点が無いものになりました。

もはや青色申告の申請を出していない方が、年の途中で確定申告が必要になったケースに使う以外に利用する動機がありません。

それでも経費の計上と基礎控除などの控除を利用して所得を減らすことで税額を抑えることができます。

なにより無申告は処罰の対象となりますから、フリーランスであれば38万円以上、年末調整したサラリーマンなら20万円以上の所得になったら必ず確定申告を済ますようにしてくださいね。

また、当サイト大人の楽屋では、フリーランスや会社経営者が集うオンラインサロンで、これから独立して活動していきたい、あるいは、今の事業が中々伸びずに悩んでいる人を全力でサポートしています。

確定申告を含めて、悩んでいることがあればぜひ一度相談をして下さいね。

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