退職理由に「転職」

転職先が決まったら、次の問題は現在の会社をどう辞めるかです。

現在の会社に不満が多く、それを理由に転職するという人も多いでしょう。

ですが、立つ鳥跡を濁さず。

円満退職にこぎつけるための、転職の流れを確認しておきましょう。

退職する際になぜ円満退職が望ましいのか

円満退職

退職を申し出ること自体、会社にある種のダメージを与えずにはいられないもの。理不尽に妨害されることもあります。

ですが、そんな場合でも円満退職への努力は惜しまないようにしたほうがいいです。

退職は、今後の社会人ライフに活きてきます。

ひとつには、転職先がそれまでの会社と比べて圧倒的にいい会社だという保証はまったくありません。

会社にもレベルがあるとしたとき、相対的に低いレベルである会社から従業員を引き抜こうと考える会社は決して多くはありません。

そして転職者の側も、所属する会社のレベルによって評価をされてしまうことは否めません。

ですから、期待に満ちて転職してみたら、思いのほか違いがなかったという可能性は大いにあります。

前の会社に後ろ足で砂を掛けるように退職してくると、その辞め方が癖になる可能性もあります。

つまり、転職スパイラルに陥ります。

最初は条件面が上がっていた転職も、繰り返せばだんだん価値が下がってきて、前より悪くなることも普通です。

ですから、これから退職する時には、その逆を行きましょう。

ひどい会社であったのが事実でも、そこにいた経験・事実は一生ものだということを忘れないようにしましょう。

今後も、前の職場に残してきた人脈が活きるかもしれませんし、あるいはもっと直接的にビジネスチャンスが発生するかもしれません。

人間関係は一度損なってしまうと回復が困難ですから、できるだけ円満に退職するに越したことはありません。

転職したい時の退職理由の伝え方

円満退職

「円満に」辞めることを重視し過ぎると、正確な退職理由を言わないほうがいいと考える人もいるでしょう。

転職以外の理由を付けるわけです。

「試験勉強をする」「実家の家業を継ぐ」などの理由が考えられます。

ですが、嘘の理由付けはよくありません。

まるっきり畑違いの業種に転職する場合でもない限り、高い確率で前の職場にバレます。

そうなると、「嘘をついて辞めていった」という評価をされてしまうことになります。

これでは今後の人脈維持もおぼつきませんから、辞めた直後だけ円満であっても、ほとんど意味がありません。

基本的には、このように正確な事実と感謝の思いを伝えるのがいいでしょう。

「7月1日より○○社に就職が決まりましたので、退職いたします。この会社で学んだスキルと経験を、次の会社でも引き続ぎ活かしていきたいと思います。お世話になりました」。

ただし例外的に、転職先を正直に伝えることがトラブルになるケースもあります。

現在の会社が、就業規則において同業他社への転職を禁止している場合です。

つまり、引き抜き防止規定です。

この規定があったとして本当に有効なのかについては議論の余地があります。

それでも2年程度の転職縛りであれば有効とする解釈もありますので、無視することはできません。

この場合ならば、嘘の理由もやむを得ません。

ただこの事例の場合、以前の会社の人と引き続き堂々とお付き合いするわけにはいきませんので、今後の円満な人間関係づくりは難しいものと覚悟しておかなければならないでしょう。

転職する際にも円満退職はできる

円満退職

退職理由にもいろいろあります。

例えば、

  • 実家に帰って家業を継ぐ
  • 結婚して配偶者の勤務先についていく

など、それが本当のことなら、残された側が納得せざるを得ない退職理由も無数にあります。

こういった退職理由の場合、辞めるからといって悪く思われることはありません。

この点、転職というのは、本質的にもっとも悪く思われる退職理由です。

職場の仲間に黙って転職活動をしていたというケースも多いでしょうから、なおさらです。

転職のため退職するということは、結局は「もうここでは働きたくない」という意思表示です。

残された人たちにとっては、自分たちと働くことを拒絶されていると感じても無理はないもの。

ですから、転職に当たって、退職の意思表示を不愉快に思われるのは当たり前のことです。ある程度仕方ないことと思いましょう。

ですが、だからといって事務的に粛々と手続きをして、退職の日を迎えるという手段にも問題があります。

そもそも転職できたのは、現在の会社での活躍を次に評価してもらったからなのです。

育ててもらったという感謝の心を持たない人はいないはずです。

辞められる会社側の不快感は、辞める側の感謝の心でできる限り相殺したいものです。

ベストなのは、現在の会社で確立した仕事の方法をきちんとわかりやすく残してから去ること。

引き継ぎ書面だけのことではなく、実行できる業務を次に残してこそ感謝されます。

もちろん、担当者が替われば今後の仕事のやり方も変わってくるわけですが、それはそれ。

後任者がよりいいものを作れるためにも、実績はきちんと姿に残しておきましょう。

転職を理由に退職をする際の注意点

円満退職

転職活動を隠さない

円満退職を目的にするなら、ひとつの方法として「転職活動を隠さない」というものもあります。

つまり、すべてのスタート時点から、円満退職を妨げる理由をなくしておくわけです。

転職が決まったとき、一緒に喜んでくれるような職場なら、理想中の理想でしょう。

ですが、実際問題としてなかなかこの方法は難しいかもしれません。

上司個人に伝えておくぐらいは考えられますが、全員に伝えると、現在の仕事自体に障害が生じる可能性もあります。

自分たちの職場を去るための準備をしようという人を、温かく見守ってくれるとは限りません。

嫌がらせが起こるまでのことはなくても、辞めることを決めている人の現在の仕事に、協力してくれないかもしれません。

ごく普通には、現在の職場には黙って転職活動をすることになるでしょう。

この場合、面接時間については制限されてしまいますが、あまり気にすることはありません。

面接する側も、すでに失業している人より、現役でバリバリ働いている人のほうに期待するのが普通です。

本当に会いたいと思ってもらえる人なら、調整してもらえるはず。

とはいえ働き方改革が叫ばれる昨今、転職希望者のために、終業時刻以降や土日に面接をしてくれない会社もあります。

その場合は、年次有給休暇を使って面接に行きましょう。

その際につく、多少の嘘は仕方ありません。

まずは会社の上司に報告する

さて転職が決まった場合には、すぐに現在の会社の上司に報告しましょう。

ただし、退職願を持っていく必要はありません。

この場合、次の就職の日が決まっているので、円満退職を実現するにしても、多少は強気に出ないとなりません。

お尻の決まったスケジュールから逆算して、辞められる日程を考えましょう。

この時点で辞めさせてもらえないなど、嫌がらせのようなことをされる場合もあります。

その場合は、退職日を決めるしかありません。

退職願は、自分で決めた退職日の30日前(一般的な例であり、就業規則にもそう定められている場合が多い)に提出します。

受取りを拒否された場合は、きちんと記録に残すのであれば会社宛ての内容証明郵便で退職意思表示を伝えるしかありません。

この場合、上司が握りつぶすことはできません。

目先のトラブルより、退職そのものを実現するほうが優先する場合は、この方法でも仕方ありません。

ただしそこまでせず、個人のメールから退職の意思を上司に発信しておく方法でもいいでしょう。

故人のアドレスから、上司のアドレスに当てて送信し、CCまたはBCCで自分の会社のメールアドレスに送付しておきましょう。

それから、周りの同僚にも退職することを伝えておきます。

上司がきちんと対応してくれている場合ならば、勝手にすべきではありません。

引継ぎ書面を作っておく

そして、引継ぎ書面をきちんと作っておきましょう。

現在の仕事と転職活動で忙しくても、引き継ぎ書面は早くから準備しておくのがおすすめです。

強い意志を持って、退職へのゴールに向かって進んでいきましょう。

それでも、決して喧嘩はしないようにしましょう。

円満退職に至らない悪い例

円満退職

現在の会社がどう評価してもブラック企業でしかないという場合もありますので、円満退職だけを目的にする必要はありません。

ですが、できる限り避けるに越したこともありません。

円満退職に至らない、悪い例も見ておきましょう。

有給休暇をすべて取得する

年次有給休暇は権利です。

退職前に有休を使えるだけ使う方法も、法的には問題ありません。

ですが、円満退職の目的とは完全に相容れないものなので、避けたほうが無難です。

もちろん、引継ぎがきちんと進んでいて、現在の仕事が少ない状態なら、遠慮しないで取ればいいでしょう。

有給取得が目的になってしまうと、円満退職は困難になります。

引継ぎを済まさない

引継ぎ書面を会社が受け取らないなら別ですが、引継ぎをきちんと済まさずに退職すると、最悪の場合訴えられることもあります(損害賠償請求)。

嫌がらせのようなことを平気でする会社もありますが、そうしたときこそビジネスマンの能力が試されると考え、きちんと書面を残しましょう。

退職代行業者を使う

これも、業者を使うことの是非の問題ではなく、円満退職のためには明らかな妨げになります。

しかし、会社にどうしても辞めさせてくれない。

あるいは、辞めたくても辞めづらい場合には、利用するのも1つの手です。

 

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