ルポライターという職業を名乗っている人には、特定の企業に所属する会社員と企業に所属しないフリーランスの2種類に大きく大きく分けられます。
このうち新聞や雑誌などのメディアを運営する会社から案件ごとに記事執筆の仕事を受注し、報酬を得ているのがフリーランスのルポライターです。
誰でも簡単にフリーランスのルポライターとして収入を得られるようになるわけではありませんので、収入や仕事内容に加えて必要なスキルについても解説します。
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フリーランスのルポライターの平均収入
平均年齢 | 25歳~35歳 |
平均月収 | 16万~50万円 |
平均年収 | 200万~600万円 |
1案件平均単価 | 数千~数十万円 |
ルポライターの収入は仕事内容によって異なります。
ですから上記の表は参考程度にしておきましょう。
とはいえ、1案件数十万円の仕事を複数抱えれる様になれば年収1000万円も可能ですが、仕事先との信頼関係や実績はもちろん、実力も大切になってきます。
フリーランスのルポライターの仕事内容
ルポライターの仕事内容は、会社員として働いている人の場合でもフリーランスの立場の人でも基本的には変わりません。
どちらも事件や社会問題などについて取材し、その報告記事を書くのが仕事です。
ルポライターという職業名はルポルタージュという文章のジャンルに由来していて、ルポルタージュライターを略してルポライターと呼ばれるようになった経緯があります。
ルポルタージュは報告文学や記録文学としてノンフィクションの1ジャンルでもありますが、もともとは現地報告という意味で使われていた言葉でした。
新聞や雑誌・テレビといった従来のメディアに加え、最近ではWebメディアも含めたさまざまな情報媒体で発表される記事を執筆するのがルポライターの主な仕事内容です。
フリーランスとして活躍するルポライターの中にはノンフィクション作家を名乗り、取材成果を本にまとめて出版している人の例も少なくありません。
そうしたノンフィクション作品の中から数多くのベストセラーも生まれてきました。
新聞や雑誌などの情報メディアに掲載される記事を書くのが、ルポライターとしての本来の仕事です。
記事を執筆するには何らかの事件や社会問題・人物といった対象について現地取材やインタビューを行い、場合によっては資料を調べる必要も出てきます。
取り上げる記事のジャンルは何でもいいというわけではなく、社会性の高い事件や世の中のさまさまな問題、さらには政治や経済に関するテーマが中心です。
そういった記事を注文してくる編集部とも打ち合わせを行う必要があるため、フリーランスのルポライターは仕事の受注から納品に至るまでのすべてをひとりでこなしていかなければなりません。
フリーランスのルポライターになる為に必要なスキル
文章力
フリーランスのルポライターは文章を書くのが仕事だけに、文章力に関するスキルは必須です。
公共的なメディアに記事を発表しても恥ずかしくないレベルの国語力は、ルポライターとして最低限身につけておかなければなりません。
と言ってもルポルタージュの文章に文学性はそれほど求められず、むしろ過剰な文学的装飾を排して事実を冷静かつ正確に記述する姿勢が大切です。
行動力
ルポライターが取り上げる取材対象には、事件・事故・災害の被害者や社会の底辺で苦労している人たちなども含まれます。
そういった人たちに寄り添いながら真実の声を引き出し、なおかつ過剰に感情移入することなく事実をありのままに伝えるような記事を書かなければならないのです。
コミュニケーション能力
ルポライターに必要なスキルは文章力だけでなくこうした取材力も重要になってくるため、行動力と同時にコミュニケーション能力も問われてきます。
容易に真相を語りたがらない人も含めたさまざまな人物に証言やインタビューを試みる中では、粘り強い取材姿勢とともに体力も求められてきます。
事件・事故・災害の現場には危険が伴うことを考えると、ルポライターには危機管理能力や臨機応変な対応力も欠かせません。
特にフリーランスのルポライターは新聞社や出版社といった依頼主から仕事を獲得しなければ収入を得られませんので、自分を売り込む営業スキルも求められます。
フリーランスのルポライターになる為に取得しておきたい資格
ルポライターになるのに特別な資格が必要なわけではありませんので、その気になれば誰にでもチャンスはあります。
とは言え現在フリーランスで活躍しているルポライターの中には以前マスコミ業界に所属していて、新聞記者や雑誌記者から転身した人が少なくないものです。
マスコミ業界にコネクションがない状態でいきなりフリーランスのルポライターとして仕事を得るのは難しいのと比べ、業界で働いた実績があれば人脈を利用できる点で有利になってきます。
新聞社や出版社・編集プロダクションといった企業に入社して記者としての実績を積んでから、フリーランスのルポライターとして独立を目指すのが最も無難です。
そうなるとマスコミ業界の企業に採用されるためには大卒以上の学歴が求められてきますので、大学を卒業するということがフリーランスのルポライターを目指す上での必要条件だと言うことになります。
そういった業界コースを経ないままフリーランスのルポライターを目指す場合は、学歴や資格も問われません。
文章力と取材力さえ持っていれば良質な記事を書くのに不足はないため、あとは仕事の依頼主となる出版社や編集プロダクションにどうやって認めてもらうかが問題になってくるのです。
フリーランスのルポライターに必須というわけではありませんが、ビジネス著作権検定やテープライター・校正士といった資格を持っていれば、実績を持たない人でも編集部に対するアピール材料になります。
フリーランスのルポライターが働く仕事場所
フリーランスと言えば自宅でも仕事ができるというイメージもありますが、ルポライターは他のフリーランスと比べて行動範囲の広さが特徴です。
取材した成果をまとめて記事を書く作業だけなら自宅でも可能で、ノートPCなどを利用すれば仕事をする場所を問いません。
とはいえ、ルポライターにとって記事の執筆はあくまでも最終的な工程に過ぎず、記事の材料となる取材が最も重視されます。
フリーランスのルポライターが働く場所は取材先によって異なり、依頼された仕事内容に合わせてさまざまな現場を飛び回りながら取材しなければなりません。
取材対象によっては事件や災害の現場だけでなく特定の企業や官公庁・警察を訪れたり、個人宅を訪問してインタビューしたりする必要も出てきます。
取材対象は日本国内と限らず、必要に応じて海外に出張しながら現地取材を試みるケースも考えられるのです。
日本国内の取材でも仕事の依頼内容に合わせて北は北海道から南は沖縄まで、全国のあらゆる地域が想定されます。
フリーランスのルポライターはそうした取材場所での仕事に加え、依頼主となる新聞社や雑誌編集部・編集プロダクションなどの編集室でも打ち合わせ等の仕事に随時対応しなければなりません。
ルポライターがフリーランスとして働く時に気を付けること
収入が不安定である
同じルポライターでも新聞社や編集プロダクションなどの社員として働く場合は、会社から毎月決まった給料が支給されます。
会社の組織に縛られる面はあるものの、会社所属のルポライターは安定した収入が得られて身分も保証されるという安心感が得られる点で有利です。
フリーランスのルポライターになるとそうした後ろ盾がなくなり、すべては自分の実力と信頼に収入が大きく左右されてきます。
どれだけ優れた文章力や取材力を持つルポライターでも、依頼主から信頼されなければ仕事が獲得できずフリーランスとして収入を得ることはできません。
そのためにも仕事をくれる編集部とは良好な関係を維持する必要がありますので、納期を厳守して常に連絡できるようにしておくような最低限のビジネスマナーはフリーランスのルポライターにも求められます。
著作権問題
書いた記事は社会的に影響力の大きいメディアに発表されることになるため、万が一誤った内容の記事が表に出た場合は取り返しのつかないことになりかねません。
そうした事態を招いた場合でも会社に所属してるうちは叱責などの処分だけで済む場合もありますが、フリーランスの立場だとそれ以降は信頼をなくして仕事の注文が来なくなります。
ルポライターに限らず文章を生業とする職業では、資料や統計などを引用する場合も含めた著作権の取り扱いに最大限の配慮が必要です。
真実に迫る記事を書くには時に突撃的な取材も必要になってきますが、取材の節度を守らないとトラブルの元になるのでこの点にも注意しなければなりません。
記事を書く際にも人権や法律面を考慮しながら、差別用語を使わないようにしたり被害者感情に配慮したりなど細心の注意が求められます。
フリーランスのルポライターになりたいなら
書いた記事がトラブルに発展した場合はすべて自分で責任を負わなければならないという点と、仕事の依頼がなくなれば収入がゼロになるという点は、フリーランスのルポライターとして働く上で気を付けなければならない重要なポイントです。
そう考えると大変な仕事のように思われがちですが、文章を書くのが得意な人や取材するのがそれほど苦にならないという人はルポライターに向いています。
依頼主から信頼されて仕事に恵まれれば収入も増え、会社に所属するルポライターより高収入を稼ぐことも可能な点はフリーランスの魅力です。
とはいえ、現在はSNSやブログなどを駆使して情報発信をすることで、お仕事をもらうことも可能になってきています。
当サイト大人の楽屋では、SNSの情報発信の仕方や自分自身のブランディング、そして価値の作り方など様々なことが学べる「フリーランスの実践場」として多くの人が在籍しています。
もちろん、これからフリーランスとして活動していきたい人やすでいフリーランスとして活動している仲間も多くいます。
これからフリーランスとして活動していきたいなら、ぜひ大人の楽屋の一面を除いてみて下さいね。