意気揚々と就職したものの職場が合わなかったり、結婚や家族の事情であったり、あるいは待遇面やパワハラといったネガティブな理由で退職するということが少なくありません。
そんな退職ですが、退職届を提出すれば法律的に14日以内で確実に退職できてしまいます。
ただ、流れを誤ると時に損害賠償請求をされたり、退職できなかったりするといった万が一のトラブルが起こる場合もあるのです。
そういったトラブルを避けて無事退職届を提出した後、退職をしたい方がほぼ全員といえるのではないでしょうか。
そこで今回、この退職の流れや注意点についてお話していきます。
これを読めば無事退職するための流れについて知ることができるのではないでしょうか。
遠足は帰るまでが遠足という言葉がありますが、退職も完全に席が抜けるまでが退職ですから、一つずつ確実に行っていきましょう。
Contents
退職届を提出した後から退職するまでの流れ
退職届を提出した後から退職するまでの流れについて、大まかに説明すると、以下の流れです。
- 業務引継ぎ
- 社外のあいさつ回り
- 担当引継ぎ
- 社内挨拶
- 貸与品の返却
- 退職書類の受け取り
- 公的な手続き
中でも、最後の公的な手続きについては疎かにしやすいですから、注意しましょう。
それではこれらの流れについて解説していきます。
1.業務引継ぎ
業務引継ぎですが、社会人であればこれはきちんと行っておく必要があります。
引継ぎノートの作成、後任の手配が主なポイントです。
最初に、自分の仕事をまとめた引継ぎノートを作っておきましょう。
手書きが苦手であればパソコンなどでデータにしプリントアウトしてもかまいません。
最初に大まかな流れを書き、それを補足するように詳細なメモ(仕事の段取りや進行状況、職務分担といったものや取引先の担当者の性格等、表面的でないポイントの紹介)で肉付けしていくと作りやすいです。
誰が担当しても問題のないようなものにしていきましょう。
新人が後任に当てられることもあります。
後任の手配ですが、これは自分で行う場合、適切な人物を選び頼むことです。
難しい場合は会社に依頼するか、分担して後任になってもらうことになります。
多くの場合、会社のほうで後任を用意することが殆どですが、難しい場合は部署全体のスタッフに引き継ぐような形にしましょう。
また、抵抗があるかもしれませんが、退職後の連絡先を後任者と上司に伝えることで不測の事態にも対応できます。
2.社外のあいさつ回り
社外のあいさつ回りが2つ目のステップです。
営業職の場合、特に重要になります。
会社の意向に沿って対応し、後任が決まっていれば同行してもらいましょう。
後任を取引先に紹介する際は、「頼りになる人です」などと立てるによって取引先も安心できますし、後任者も仕事が進めやすいため、決して後任を落とすようなことをするのはやめましょう。
不本意かもしれませんが、自分以上の人材であるという旨を伝えるスタンスでいくとよいといえます。
理由を聞かれたときは会社の意向に従い、動くことがお勧めです。
会社は人材流出を表沙汰にしたくない場合も多いですから、部署移動というようにと指示があった場合はそれに従いましょう。
もし退職した旨を伝えていい場合は、具体的な理由は避け、「家庭の事情」などにとどめるほうが好ましいといえます。
決して「上司が・・・」、「会社の待遇が・・・」などといわないようにしましょう。
20代の若い方の中には口を滑らせてしまうケースもあるため、他人事ではないと考えて下さい(親しい取引先だと意外に本音が出てしまいます)。
また、営業職でなくともコミュニケーションをとることが多い外部の方にも今のようなポイントを抑えてあいさつを行いましょう。
退職が円満であったり余裕のあるものであれば、取引先やお世話になった方へ挨拶状を送ることをお勧めします。
将来的に何かしらのかかわりを持つかもしれません。
退職の1~2週間前に用意し、退職の前後に投函しましょう。
印刷したものの余白に手書きでメッセージを入れると効果的です。
3.担当引継ぎ
担当引継ぎは、後任者に引継ぎノートを渡して話をしていきます。
最初に大まかなイメージを持たせて、具体的な点については後から補足していくというスタイルが良いです。
基本的にトラブルの回避方法などから話していき、自分がいなくなったときのダメージが最小限になるように配慮して下さい。
いくら恨み辛みがあり、不満のある会社でも、残った人のことを考えて適切な引継ぎを行っていくのが社会人としての最低マナーです。
なるべく早いうちから行い、退職の3日前前では済ませてください。
4.社内挨拶
社内挨拶は、退職日や有給消化前の最終出社日に行います。
部署外から行っていき、規模によっては後任者の紹介をしましょう。
最後に部署の中であいさつを行っていきます。
話したくない人間もいるかもしれませんが、けじめとしてあいさつだけはきちんと行うことをお勧めします。
5.貸与品の返却
ここからは事務的な手続きの話になります。
まず貸与品の返却ですが、主に以下のものです。
- 健康保険被保険者証
- 社員証やIDカードなどの身分証明書類
- 社章
- 通勤定期券
- 制服または作業着(貸与を受けていた場合、クリーニングして返却しましょう)
- 名刺
- 備品(書籍や参考資料、事務用品など)
- 業務用の関係書類など
特に名刺、備品、関係書類に関しては重要なので補足して説明します。
名刺
名刺は、自分のもの以外にも仕事を通じて受け取った名刺も原則として会社の所有物のため返却することです。
持ってかえって新しい職場で利用した時点で罪に問われることすらありますから注意しましょう。
備品
備品は社費で購入したものは会社の所有物のため返却します。
社名の入ったボールペンで1本あっても貸与されていれば返却が必要です。
関係書類
関係書類は原則として会社の資産のため返却します。
このように返すものが沢山ありますが、一人の社員を抱えるためにはこれだけのコストがかかるということを知る機会にもなるのではないでしょうか。
きっと、この経験は次の職場でも生かせます(自分の重要性について知れたりします)。
6.退職書類の受け取り
次が退職書類の受け取りです。
これは公的な手続きなどに必要なので必ず受け取りましょう。
- 雇用保険被保険者証
- 源泉徴収票
- 年金手帳
- 離職票
そしてすぐに転職しない場合は、
- 社会保険の資格喪失を証明する書類(退職証明書や健康保険や厚生年金被保険者資格喪失証明書など)
をもらっておきます。
これは、国民年金や国民健康保険に加入する際に必要です。
ちなみに雇用保険被保険者証は、転職先企業に提出したり雇用保険の失業給付に必要です。
万が一紛失してしまった場合は、居住地を管轄するハローワークで再発行可能です。
ただし、「被保険者番号」が必要になるので会社に確認しましょう。
源泉徴収票は、所得税の年末調整に使うための書類であり、転職先企業に提出したり、転職しない場合は確定申告に使います。
無い場合、脱税になることもありますから注意しましょう。
年金手帳は職先企業に提出するものです。
また転職しない場合は国民年金の手続きに必要となります。
最後の離職票ですが、雇用保険の失業給付に必要な書類で転職先が決まっている場合は必要ありません。
これは退職後しばらくしてから郵送されます。
7.公的な手続き
最後が公的な手続きです。
これは同月のうちに転職する場合は問題ありませんが、一時的に無職になる場合は、
- 失業保険
- 健康保険の切り替え
- 年金保険の切り替え
といった手続きを行います。
それぞれ、以下のところで手続きする際に必要です。
- ハローワーク
- 役所(配偶者や親の保険に入る場合はその勤務先)
このほか、税金に関しては住民税の支払い手続きをおこないますが、自ら退職する企業で「退職に伴う普通徴収への切り替え」をし、転職する企業で「特別徴収への切り替え」を行なう必要があります。
退職するまでの注意点
退職するまでの注意点は3つあり、以下です。
- 引継ぎ
- 有給消化期間の扱い方
- 返却物の管理
引継ぎ
引継ぎに関しては、退職後に会社へのダメージを最小限にとどめることがポイントになります。
自分をひどい目に遭わせたから会社にも報復してやろう!
と、考える方が少なからずいますが、こういった行為を行うと自分が引継ぎを行わなかったことで納期が遅れ、会社が損害を出したということで裁判になることがあります。
悪質な辞め方(いきなりいなくなった)ことで納期が遅れ、損失を出したケースでは損害賠償を請求されて支払い命令が出たケースもあるので注意が必要です。
不安であれば雇用問題に詳しい弁護士に法テラス(無料などで相談できる)や生命保険のサービスなどで相談してみることをお勧めします。
有給消化期間の扱い方
次に、有給消化についてです。
この有給消化の間に誤って新しい会社に入社してしまうケースが稀にありますが、企業が副業を禁止している場合、退職金の不支給などの制裁を受けることがあるため注意が必要といえます。
ただ、それ以外は有給期間中に就職活動を行っても問題はありません。
返却物の管理
返却物の管理も注意が必要です。
ボールペン1本でも会社の備品であれば必ず返却しましょう。
問題となる場合も少なくないです。
また、名刺などは返却し忘れがありますからきちんと意識して返却を行ってください。
それ以外にも定期券などさまざまなものがありますから、リストアップして返却するようにしてください。
どんなに不満のある会社でもなるべく円満に退職することをお勧めします。
まとめ
退職はさまざまな手続きを行ったり、引継ぎをするなど手間がかかります。
稀に何も行わず逃げるように辞める方がいますが、最低限のことを行うことがマナーですから、やるべきことは行うようにしましょう。
もしそういったことが辛いのであれば弁護士に相談して代行してもらうことで、合法的に手続きをすることが可能です。
退職後に最大28か月間の総額315万円の給付金を受け取ることが可能な社会保障制度はご存知ですか?
社会保障制度とは、国の制度であり、金融広報中央委員会のHPには以下の様に分かりやすく記載されています。(厚生労働省のHPにも記載あり)
社会保障制度
私たちは1人ひとりが自らの責任と努力によって生活を営んでいるのですが、病気やけが、老齢や障害、失業などにより、自分の努力だけでは解決できず、自立した生活を維持できなくなる場合も往々にして生じます。このように個人の責任や努力だけでは対応できないリスクに対して、相互に連帯して支え合い、それでもなお困窮する場合には必要な生活保障を行うのが、社会保障制度の役割です。
社会保障制度は、私たちの生活を守るセーフティネットの機能を持っています。私たちの生活を生涯に渡って支え、基本的な安心を与えています。
社会保障制度は、具体的には「社会保険」、「社会福祉」、「公的扶助」、「保健医療・公衆衛生」を総称したものです。
引用: 金融広報中央委員会「知るぽると」
上記に記載されている様に、国が定めている制度にもかかわらず知らない人も多いのが社会保障制度です。
どれくらい知らない人がいるかと言えば、傷病手当金を例に説明しましょう。
15歳~64歳までの労働者が全国に6700万人いますが、その内社会保障制度を受給できる適合者は1600万人(約4人に1人)もいます。
しかし、実際に受給できている人は9万3000人(約0.5%)しかいません。
なぜ、これほどまでに社会保障制度が知られていないかと言えば、
- 社会保障制度自体知らなかった
- 申請方法や細かい条件が分からない...
- なんだかむずかしそう...
などの理由があります。
もちろん、中には知っている人もいるかと思いますが、受給者が全体の約0.5%しかいないことを考えると知らない人が多いでしょう。
社会保障制度でもらえる金額は?
失業保険のことが気になってここまで読んでくれたあなたですから、実際にもらえる金額はやはり気になるもの。
結論から言えば、社会保障制度で受給できる金額は失業保険でもらえる金額よりも大きくなります。
会社からの総支給額が25万円の場合、社会保障制度を受給できる金額の内容は以下の通りになります。
- 給付金の金額は失業手当同様に月の総支給額6割
- 最低でも21か月間の給付金を受け取ることが可能
【計算式】
25万×0.6=15万×21ヶ月=315万
逆に、失業保険の場合の金額を比較してみましょう。
失業保険で受給できる金額の内容は以下となります。
- 自己都合退職の場合総支給額の6割
- 最低3ヵ月間から受給することが可能
【計算式】
25万×0.6=15万×3ヶ月=45万
では、社会保障制度と失業保険で比較をしてみましょう。
内容 | 社会保障制度 | 失業保険 |
支給額 | 総支給の6割 | 総支給額の6割 |
もらえる期間 | 21か月~最大28か月 | 3ヵ月~ |
総支給額が25万円の場合 | 315万円 | 45万円 |
退職してからの受給開始日 | 2か月後 | 4~5か月後(待機期間含む) |
上記の表からも分かる通り、国が定める社会保障制度を活用すれば総額315万円以上を受給することができます。
実際にどうやって社会保障制度を受給したら良いの?
とはいえ、残念ながら誰しもが社会保障制度を受給できる訳ではなく、受給する為には条件があります。
もしあなたが「社会保障制度」を活用し、給付金を最大28か月間の総額315万円の給付金を得たいのであれば、『大人の楽屋公式LINE』へ「社会保障制度条件について」とメッセージを送ってください。
また、以下の様なお悩みを抱えている人もいるかと思います。
- 将来の為に社会保障制度の内容だけでも知りたい
- 私は専業主婦になるのだけども受給できるの?
- 過去に失業保険を一度受給していても社会保障制度は受給できるの?
- 社会保障制度は一度しか活用できないの?
- パートやアルバイトだけども受給できるの?
- 地方に在住していても活用できるの?
等、人によって様々な疑問をお持ちかと思います。
とはいえ、失業保険で受給できる金額と社会保障制度で受給できる金額に大きく差が開いている様に、知っているか知らないかで今後大きく人生が変わる可能性もあります。
知っているか知らないかでもらえる金額に数十万~数百万円もの差が開きます。
まずは受給条件があなたに適応しているか確かめましょう!