今いる職場を離れたいと考えた場合、まずは上司や責任者に退職の相談をしなければいけません。
基本的に退職はいつでも可能ですが、時と場合によってはあの手この手を使って引き止められたり、結果的に先延ばしにされてなかなか退職できない状況を作ってしまいます。
退職を伝えるタイミングをしっかり見極めることで円満退社につながりますので、今の仕事に不満を持っている人はまず自分が辞めるタイミングを考えてみましょう。
そこで今回はより退職しやすい環境にするために、どのタイミングが良いのかを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にして下さいね。
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退職の意思を伝えるタイミングはいつ?
どんな職業であっても年中無休で忙しいということはなく、ある程度繁忙期と閑散期に分かれます。
退職の意思を伝える場合、当然手の空いている閑散期を選ぶのが最善です。
退職の理由によっては、繁忙期にもかかわらず退職しなければならない。
というケースもあるかもしれませんが、その場合でもできるだけ繁忙期のピーク前後を狙って意思を伝えるといいでしょう。
しかし、繁忙期と閑散期に退職を伝えることで生じるメリット・デメリットもいくつか存在します。
これからそれぞれを挙げていくので、自分の会社や上司の性格などを考慮してどちらのほうが自分が退職しやすい環境なのかを考えてみましょう。
繁忙期に退職を伝えるメリット・デメリット
業務が多くなり、仕事以外のことになかなか着手できなくなる繁忙期は、同時にやりやすい仕事をすぐに終わらせようとする傾向にあるため、逆に退職しやすくなるメリットもあります。
また、長期的な業務を前提とする仕事になると、本格的な繁忙期が始まる前に退職を申し出てもらったほうがいいと言われる場合もあります。
しかし、大抵の業種は繁忙期に退職を伝えると嫌な顔をされるでしょう。
人員が一人でも減ったら困るサービス業は特に嫌がられる傾向にあります。
また、メリットで挙げた「やりやすい仕事をすぐに終わらせようとする」というのは裏を返せば「後回しにされてしまう」ということでもあり、退職の手続きをなかなか取らせてもらえないという可能性もあります。
さらに、同僚などからもこれから迎える繁忙期を前に欠員が出てしまうことで、自分の仕事が増えると顰蹙(ひんしゅく)を買ってしまうので、やはりデメリットのほうが多いと言えるでしょう。
閑散期に退職を伝えるメリット・デメリット
閑散期は他に急ぐ業務もないため、周囲の社員も柔軟に物事を捉えてくれるようになります。
時間をかけてゆっくりと相談し、円満退社となることもできます。
同僚や部下への引き継ぎやお別れなどにも時間を掛けることができますので、ほかの社員にも不満が残らない形になります。
デメリットとしては、時間と気持ちに余裕ができてしまう分引き止めが強くなってしまいがちということです。
これから数カ月後に繁忙期が来ることは予測できるので、「今辞められるのは困る」と言われてしまうでしょう。
はっきりと辞める理由を用意して相談することが重要になります。
円満退職する為の方法はタイミングにある
せっかく入社して知り合いもできた会社を退職するのに、恨まれて辞めるのはあまり気持ちのいいものではありません。
できるだけ円満に退社して次の仕事に臨みたいと誰もが考えるでしょう。
円満退社をするためにはやはりタイミングが一番重要になります。
先程は繁忙期と閑散期に分けて説明をしましたが、それ以外でもタイミングによっては退社を渋られてしまうケースがあります。
やはり業種や会社の規模、自分の立場によっては一概に「これが正解」ということはできませんが、自分の退社しやすいタイミングを考える参考してください。
退社を伝えない方が良いタイミング
プロジェクト前後
自分の部署でプロジェクトを進行している場合はあまりおすすめできません。
一丸となって行うプロジェクトなのに途中で放棄することは嫌がられるのは当然ですが、さらに引き止めもしやすくなってしまうためです。
プロジェクト前も「実は次のプロジェクトの責任者に指名しようと…」などと提案されると辞めにくくなってしまいます。
同じくプロジェクト後も「次回のプロジェクトにも期待してるよ」と言われて辞めにくい状況を自分で作ってしまうことになりかねません。
できるだけ自分の仕事が後を引かない状況にしてから退職を伝えるのがベストだと言えるでしょう。
長期休暇前後
意外とおすすめできないのが、ゴールデンウィークやお盆・お正月などの長期休暇前後です。
長期休暇前に相談すると、休暇中に引き止める口実をしっかり用意されてしまいますし、休暇後は仕事が溜まっているので嫌がられてしまいます。
上司とプライベートでも親交がある場合は休暇中に相談するのも一つの手ではありますが、一般的にはあまりおすすめできません。
退社を伝えるべきタイミング
異動時期前後
社内で異動が発表される前後は退職を伝えるタイミングとしてはおすすめです。
できれば異動する社員を選んでいる時が一番ですが、これは推し量るしかありません。
人員整理のときに退職となれば自動的に手続きが進みますし、他の人と一緒に退職となるので周囲にも特に気兼ねなく見送ってもらうことができるでしょう。
一人だけ中途半端な時期に退職するよりも、人員がさまざまに動く時期に一緒に動いたほうがスムーズになります。
大きな会社になると退職を相談したら他の支社への転勤を勧められるかもしれませんが、「退職です」とはっきりと申請することが大事になります。
新入社員が入る直前
新入社員が入る直前は人の入れ替わりも激しい時期となり、あまり仕事も増えない時期です。
また、新入社員の教育のために準備をする必要があるので、このタイミングで退職すれば「すぐに新しい社員が入るし…」と考えてもらえます。
退職の意思を伝えてから退職するまでの流れ
退職を決意した場合、どのような流れで退職となるのかを簡単に説明していきます。
直属の上司に相談をする
まずは退職を考えているということを直属の上司に相談します。
相談を持ちかけるのは遅くても1ヶ月前が常識です。
特に正社員であるならば2ヶ月、3ヶ月前程度でも十分です。
直属の上司以外にもよく話す上司がいるという職場もあるでしょう。
しかし、あなたを直接指導し、管理しているのは直属の上司ですので、まずはそこから始めるのがビジネスマナーでもあります。
相談する場合には「退職も考えている」というような曖昧な表現ではなく、はっきりと「退職したい」と伝えましょう。
もちろん理由もはっきりと筋の通る理由が必要です。
また、引き止められないようにするには、私的な理由がベストです。
もし、退職理由の大半が職場への不満だったとしても、それを正直に言ってしまうと「じゃあ今度からこうするから残って」、「別の職場に移ってもらう」といった対策を取られてしまいます。
そこで会社に残ったとしても「あの社員は会社に不平不満がある」と思われたままになるのでプラスにはなりません。
また、「退職後の方向」を明確にするのも円満退職に繋がります。
退職を相談された上司は必ず「辞めてどうするの?」と聞いてきます。
そのときに「まだ何も考えていない」という答えはNGです。
自分の中でやりたいことがあり、それに向けて準備を始めているということを伝えましょう。
もし、今はまだ何も考えていないが退職したいという場合であっても、なにかしらの言い訳を考えておく必要があります。
そして退職する時期も明確にしておくとさらに退職しやすくなるでしょう。
退職願を提出する
上司から退職を承認された後は退職願を作成します。
会社によっては退職願のフォーマットや退職に関する書類が用意されており、それにサインをして退職願となることになりますが、一般的には個人で作成した退職願を提出する必要があります。
手書きでもパソコンでの作成でも構いません。
よく「辞表を提出する」と言いますが、辞表は管理職や公務員などが提出するもので、一般社員であれば退職願となるので間違えないようにしましょう。
また、退職願は直接上司に手渡します。
郵送などでは非常識となります。(会社側が受け取り拒否している場合は、証拠を残すとして利用するのもあり)
社会人としてビジネスマナーを遵守するようにしましょう。
片付け、引き継ぎ
退職が承認されたら会社にある私物を持ち帰ったり、会社の備品を返却します。
備品に破損などがある場合は弁償しなければならないかなどを確認しておくといいでしょう。
また、残る社員のためにも自分が持っている情報などを引き継ぎます。
会社によっては引き継ぎのための書類作成も必要になる為、退職の相談をできるだけ早くしたほうが良いというのはこのあたりにメリットがあります。
その間にも同僚や他の上司、部下などにあいさつをしておきます。
この時理由をはっきり言う必要はありませんので、できるだけ簡単に済ませるようにします。
退職
退職期日が来ればそのまま退職となります。
次に始める仕事に着手したり、心を休めたり自分の新しい道を進みましょう。
退職後、元の会社から連絡が来ることはほとんどありません。
元の会社が嫌だったという人も怖がらずに新しいことを始めてください。
まとめ
退職に当たって考えなければいけないこと、やらなければいけないこと、乗り越えなければいけない壁は当然出てきます。
それは自分の年齢や役職、立場によって変わることです。
20代であれば「若いから」と差別的な言葉を掛けられてしまうかもしれません。
20代後半から30代にかけては役職に就く直前だったり、プロジェクトのリーダーに抜擢されたりすることもあり、なかなか辞めるタイミングを見つけられなくなります。
40代になると管理職として働いていたり、上層部に目をかけられている、恩があるというケースも考えられます。
ですが退職をしたいと希望しているのであれば、その意思を強く持って自分が進みたい道を選びましょう。
何を言っても退職してしまえば後は自由なのです。
まずははっきりと退職の意思を固めるようにしましょう。