働き方が多様になってきた今、転職する人の割合は徐々に増加傾向にありますね。
しかし、退職を検討する理由は人それぞれあります。
人間関係が嫌だから。
給料に満足できない。
など、様々あるでしょう。
本記事では、退職を考える時の検討理由で多いものを中心に解説しますから、ぜひ参考にして下さいね。
Contents
退職を考える時の検討理由
2018年にエンジャパンが8600名に聞いた転職実態調査によると、転職を考えた上位5つのきっかけは、以下だったとの調査報告があります。
- 給与の低さ
- やりがい・達成感のなさ
- 企業の将来性
- 人間関係
- 残業時間・休日出勤などの拘束が長い
給与の低さについて
給料の低さについては、大きく二つわかれるでしょう。
自分の働きに対してまっとうな評価がされていないのでは?という不満。
もう一つが、
実際に頑張ってはいるが、どうしても力不足という面でなかなか上に行けず給与が低いという不満です。
給与が低いというのは、よく聞く悩みでもありますね。
全国給与平均は、業種によって異なりますが、パーソルキャリアの調べによりますと、
- 20代男性:年収367万円・女性:319万円
- 30代男性:年収487万円・女性:年収382万円
というデータがあります。
給与の低さへの不満を解消するためには、以下の対策が考えられます。
- 転職をする
- その会社で活躍をして稼ぎをあげる
- 副業
2018年春には、大手企業も含めて、副業を解禁する会社が増えました。
それに合わせて、クラウドソーシングやネットのアフィリエイト、せどり、youtubeなどなど、色んな副業をする人が周りに増えているでしょう。
副業について、パーソル総合研究所が副業についての調査結果を2019年に出しています。
副業許可企業300社、副業禁止企業700社を対象に調査をしたところ、正社員のおよそ10.9%がすでに副業をやっていました。
また、正社員の41.0%が副業意欲を持っていたとのことです。
パーソル総合研究所、副業実態・意識調査結果【個人編】を公表
加速する副業。正社員の10.9%が副業実施中、1年以内の開始41.3%
副業で本業のモチベーション向上23.1%。副業の平均月収6.82万円
デメリットは過重労働。副業で体調崩す13.5%、本業に支障きたす13.0%
引用:パーソル総合研究所
グーグル検察で「副業」と調べる人の割合も増えてきており、ここ5年で検索数も右肩上がりになっていることから、給料に不満を思っている人が多いのが分かりますね。
やりがい・達成感のなさ
そもそも日本人はやりがい・達成感を仕事で感じている人の割合が低いという結果がでています。
2017年にアメリカのギャラップという会社が、世界中で組織のエンゲージメントを測るツールであるエンゲージメントサーベイを実施しました。
言い換えると、働く熱量です。
全世界1300万人のビジネスパーソンを実施して、国ごとの働く熱量を順位付けしていきました。
そんな中、日本はなんと139か国中132位という結果だったのです。
そのギャラップ社が全世界1300万人のビジネスパーソンを調査し、導き出したエンゲージメントを測定するたった12の質問が「Q12(キュー・トゥエルブ)」です。
この調査によると、日本企業はエンゲージメントの高い「熱意あふれる社員」の割合が6%で、米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位レベルでした。
引用:PRESIDENT
日本にいるビジネスパーソンのエンゲージメントの内訳が、シンプルでわかりやすかったです。
- 周囲に不満をまき散らしている無気力な社員:24%
- やる気のない社員:70%
- 熱意あふれる社員:6%。
公務員を志望すること自体については、素晴らしいチャレンジだと思うのですが、一番大切なのはどの進路を選択したとしても、その先、入社した先の人生です。
働き方改革と世の中では声高らかに言われていますが、働き甲斐にフォーカスをあてると、このエンゲージメント調査のような結果になってしまうのです。
一方で、人というのは目の前のことを一生懸命やっていると、次第に好きなるとも言われています。
覚悟と気持ちの問題なので、1か月間一生懸命やってみてそのあと検討するというのも手かもしれません。
ちなみに、Q12(キュー・トゥエルブ)の内容とは以下の通りです。
▼「Q12(キュー・トゥエルブ)」の内容
- Q1:職場で自分が何を期待されているのかを知っている
- Q2:仕事をうまく行うために必要な材料や道具を与えられている
- Q3:職場で最も得意なことをする機会を毎日与えられている
- Q4:この7日間のうちに、よい仕事をしたと認められたり、褒められたりした
- Q5:上司または職場の誰かが、自分をひとりの人間として気にかけてくれているようだ
- Q6:職場の誰かが自分の成長を促してくれる
- Q7:職場で自分の意見が尊重されているようだ
- Q8:会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
- Q9:職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
- Q10:職場に親友がいる
- Q11:この6カ月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
- Q12:この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった
引用:PRESIDENT
企業の将来性
ここについては業界レベルでの変動も大きいかと思われます。
新規事業をするか、差別化を図っていくか、会社の中で会社の将来をつくっていく気持ちがなければ、その気持ちが抱ける会社への転職もありでしょう。
現代では、団塊ジュニア世代と言われる、就職氷河期だったころに就職した世代が転職市場において有効求人倍率1倍以上をマークしたというニュースが話題になっています。
厚生労働省が発表する有効求人倍率は近年大きく回復しました。有効求人倍率といえば正社員も非正規も一緒になっていたので、「求人が増えたといってもどうせ非正規の話でしょう」と思っているかもしれません。しかし、正社員の有効求人倍率のみを抽出した統計も実はあります。
なんと、正社員の有効求人倍率1倍を超えているのが現状です。執筆時点での最新データ、2019年1月の数字では1.14倍となっています。
引用:東洋経済オンライン
有効求人倍率とは、人手不足の度合いを表す指標です。
これは、企業からの求人数を、ハローワークに登録している求職者数で割って出た値のことです。
つまり、有効求人倍率とは求職者1人あたりの求人数を表しています。
この数字が高ければ人が欲しい企業が多く、低ければ求人が少ないということになるのです。
世代によってニーズが変わってくる時代になったので、キャリアアップを意図して業界を勉強するのも手だと思います。
また、IT業界など手に職があると転職できる業界もあるので、退職してすぐに転職するのではなく失業保険をもらいながら手に職をつけるのもありかもしれません。
人間関係
人間関係は、どこの業界でも聞く話しですね。
とくに、上司がどんな人であるか、先輩がどんな性格かが大きく影響すると思います。
いじめやパワハラを受けているなど、我慢できない状態になっているなら転職して環境を変えることが自分のためになるでしょう。
一方で、転職はとても大きな決断なので、上の立場にある人に相談をしたり、人事など客観的に会社を見ている立場の人に相談することがよいと思います。
少人数の職場になればなるほど、人間関係のこじれは起きやすいことが多いです。
残業時間・休日出勤などの拘束が長い
会社がそもそも法律を守れているのか、勉強をして照らし合わせてみることをおすすめします。
本当に労働する環境として成り立っているのか。
万が一、法律に違反しており、その度合いがひどい場合は、労働基準監督署に訴える手もあります。
未払いだったお金がまとまって返ってくることもありますし、その後残る社員の人達のためにもなります。
会社にとっても長い目で見れば健全化することが会社のためにもなる可能性も高いです。
労働基準監督署に訴えるかどうか考えるときに、よく躊躇するという話を聞くのですが、自分の名前を会社に言われなくても済む伝え方もあります。
労働基準監督署とは、そもそも労働基準法などの法律が守られているかをチェックする行政機関で、明確な法律違反がある場合には強い権限をもってそれを発動させることができます。
通報できる内容は、下記の場合です。
- 賃金や退職金の未払いがある
- 1か月で80時間を超えるなどの長時間残業
- 就業規則に休日が設定されていない
- 労働条件が雇用契約と異なる
- 危険な現場での作業
そして、報告の仕方は、3つあります。
- 労働基準監督署を訪問して通報する
- 労働基準関連情報メール窓口に通報する
- 労働基準監督署に電話で通報する
労働基準監督署に来る案件数もとても多いと聞きますので、すぐに動いてくれるのが訪問して通報した場合と言われています。
労働基準監督署に行く場合は、証拠をそろえていくとスムーズにいくでしょう。
退職は即日でも可能な理由
労働基準法の第三十九条に、
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。
この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:労働基準法第39条
とあります。
会社の規定により、1か月前や3か月前などに言わなければならないという規定がある会社もありますが、法律上正社員の場合は、この労働基準法が適応されます。
その日に退職したい場合は、有給消化を理由にその日から会社にこなくてもいいように会社と協議する必要もあります。
退職申請を会社に出す際に、会社から、
- 引き継ぎがあるから残ってくれ
- 引き継ぎの必要があるから有給休暇は認められない
と言われるケースもあるでしょう。
しかし、法律で労働者は守られており、会社が一方的に有給休暇の行使を認めないというのは認められません。
もし有給休暇がないという場合でも、欠勤扱いにしてもらって給与を日割り計算してもらうという手もあります。
企業側から訴えられることはないのかと心配になる方もいると思いますが、訴訟はとても長引いてコストもかかります。
そして、それがニュースにでもなったら、企業のイメージはあがることはなく下がるリスクの方が大きいです。
そのため、企業が個人に対してこのような退職を理由に訴えをおこすということは考えられません。
退職させてもらえない時の対処方法
万が一退職をさせてもらえない場合には、『退職代行』を使うのも手です。
ある会社では、月300件以上もの相談がくるそうです。
退職の意志を会社に伝えるのは、場合によってはとても気まずく引き止められる可能性は高いでしょう。
そんな時、本人に代わって弁護士や代理業者が会社に退職の意志をつたえてくれるというのが退職代行サービスです。