「そろそろ退職したい」と考えている時、いつ・どのタイミングで・どのように伝えるか悩みますね。
退職の理由として、会社に不満を抱いて辞めるケースであったり個人的な事情により退職を考えるということもあります。
では、退職理由を伝える際のコツやポイント、注意しなければならないことなどを詳しく紹介しますので、ぜひ参考にして下さいね。
退職理由は『言い方』によって反応が違う理由
これまで勤務してきてお世話になった会社ですから、円満退職するのが望ましいと考えるでしょう。
しかし、言い方を間違えると、円満退職にならない場合もあります。
結論から言えば、上司や会社を敬う言葉から始め、「お世話になったのですが」という感謝を伝えつつ、落ち着いてかつ丁寧に退職したい旨を伝えましょう。
とはいえ、より詳しく言い方については、知っておいた方が今後の為になりますので、深堀して紹介しましょう。
退職理由は個人的な理由を伝えるように!
ここで重要なのが、たとえ会社に対する不満等があっても、そういった不平不満を伝えるのはやめましょう。
というのも、会社側から「そういった部分を改善するから残って欲しい」と引き留める口実を与えてしまうからです。
更に辞めるというのに、不平不満を上司に伝えて気分を害されても何も得をすることはありません。
ですので、
- 退職理由は個人的な理由を伝える
次に重要なのは、
- 退職に対する意思は固く決まっているということをしっかりと表明する
ということです。
かといって、「誰がなんと言おうが〜」「この日までには絶対に辞めます」などと自分の都合を押し付けるような“断言・一方的”な言い方は印象を悪くします。
伝える時のポイントとしては、
- 「今後は別の分野で違う仕事をしていきたい」ということを伝えつつ、退職の時期としては「この日までに退職を考えております」という会社に相談をするような言い方
上記を意識して伝えるといいでしょう。
納得してもらえる退職理由の言い方
では、具体的に納得してもらえるような退職理由の言い方とポイントをみていきましょう。
退職理由は、前向きな理由・やむを得ない理由を伝える
伝えるポイントとして、
- 他にやりたい仕事があるということ
- キャリアをアップしたいということ
この2つを伝えることです。
さらにこの2つに共通していることは、今後のキャリアアップに対する具体的なプランを考えておくことです。
他にやりたい仕事があるということを伝える場合の例文
「お忙しい中お時間作っていただきありがとうございます。
大変申し上げにくいのですが、○月末で退職させていただきたいと思っております。
これまで至らない点の多かった私に色々とご指導いただき感謝しております。
ですが、こういった〇〇業界に現在興味があり、以前からそちらに挑戦したいと思っておりました。
自分の力を一度試してみたいという思いをどうしても捨てきれないでいます。
そういった理由で退職をこの度決意いたしました。
身勝手ではありますが、ご了承のほどよろしくお願いしたいと思います。」
上記の例文のように、退職理由を伝える時にはしっかりと退職の時期をまず最初に表明しましょう。
そして「別のお仕事に挑戦したい」という意思がしっかりと固まっているという意思もしっかり伝えます。
キャリアをアップしたいという理由で伝える場合の例文
前置きは先述したような言い方で伝えましょう。
お世話になったという意思と感謝の気持ちを伝えた後で別の場所でキャリアアップをしたいということを伝えます。
「お忙しいところ時間を割いていただきありがとうございます。
突然のことで申し訳ありませんが、今月末で退職させていただきたいということをお伝えさせていただきたくお時間を頂きました。
これまで色々教えていただき、大変感謝しております。
実は自分の将来について改めて考えてみたところ、もっと業界の幅を広げていきたいという思いと、新しい環境でのお仕事で自分の持っている能力を高めたいと思うようになりました。
身勝手ではありますがご了承いただけますようよろしくお願いいたします。」
というように、今後自分の能力を別の場所で向上していきたいということを伝えましょう。
ですが、キャリアをアップしたいということを伝える際には気をつけなければいけない点があります。
それは、
- きちんとなぜ現職ではいけないのかという理由を述べること
会社としてはなるべく退職して欲しくないのです。
ですので、場合によっては、
- 他の部署への異動をお願いされる
- 昇給の提案を出される
といった慰留条件を提案されて引き留めようとされてしまう可能性があります。
その提案を聞いて退職を留まる場合はそれでもいいのですが、決断が揺るがないというのであれば、謙虚な姿勢でかつ決して揺るがないという意思表示をしましょう。
その際に、
「大変ありがたい提案なのですが、退職の意思に変わりはありませんので、ご了承していただければと思います。申し訳ありません。」
というように伝えてみるといいでしょう。
会社に納得してもらいやすい理由とは
会社を退職する際には、必ず『理由』を求められます。
もちろん、『一身上都合』として、理由を頑なに閉ざすことができればよいですが、そうならない場合もありますので、ここからは、退職する際に納得してもらえやすい理由を見ていきましょう。
家庭の事情
結婚や、自分の家の家業を継ぐことになったケース、配偶者の転勤や家族の介護など家庭の事情で退職するというケースはやむを得ません。
会社側や上司も、家庭の事情を聞いては退職を認めざるを得ないという考えで対応してくれます。
家族の介護が理由で退職する場合の例文
「この度、私の両親が高齢のため介護をすることになり、そちらに専念したいと思っておりますので、退職を決意いたしました。」
家族の転勤を理由に退職する場合の例文
「この度夫が転勤することになり、大変悩みましたが私も夫の転勤先について行くことを決断いたしました。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、ご理解いただければと思います。」
家業を継ぐことを理由に退職する場合の例文
「私の両親が高齢になりまして、実家の家業を継ぐことを決意いたしました。
大変お世話になり感謝しておりますが、退職させていただきたく存じます。」
結婚をすることが理由で退職をする場合の例文
「私事なのですが、この度結婚をすることになりました。
今後そちらの家庭を守ることに専念していきたいので、身勝手ですが退職させていただきたいと思っています。」
やはり、どのような理由で退職を伝えるにしても、
- 会社にお世話になったお礼
- 自分の都合で申し訳ないという謝罪
- 細かすぎず簡潔にどういった事情なのかを伝える
こういった部分を意識して伝えましょう。
「一身上の都合」で通すのもあり
退職の理由は個人的な理由ですよね。
どうしても退職の理由を伝えたくないというケースもあります。
そのような時は「一身上の都合により」というのを通す選択もあります。
ですが、会社側にスムーズに納得してもらうには、なぜ退職したいのかという理由をしっかりと伝えた方が、理解してもらえますし、何も理由を申し上げないよりは印象も良くなります。
退職理由を伝える際の注意点
退職を伝える際には注意する点がいくつかあります。
いずれも大切なことですから、退職する際には注意しましょう。
退職を伝える際にはタイミングに気をつける
退職を切り出す時のタイミングも結構重要です。
正しい時期・タイミングに切り出せることによって円満退職につながる可能性は高くなります。
逆にタイミングを間違えてしまうと、印象を悪くしたり会社に迷惑を掛けるといったことにも繋がるので注意しましょう。
繁忙期
会社が忙しくなる時期は、ある程度会社に勤めていれば分かることでしょう。
その時期に合わせて退職しようとすることは、当然避けた方がいいです。
代わりの人をすぐに用意できるとも限らないですし、会社にとっては一番人手が欲しい時です。
そんな時に限って退職を申し出されたら印象が悪いだけでなく、会社側に多大な迷惑を掛けることになってしまいます。
人事異動の直後
人事異動により退職や転勤を考える方も多いです。
人事異動を拒否することも理由次第では可能です。
退職するのであれば、きちんとした理由を述べてお断りした上で退職をするのがベストです。
重大なプロジェクトや計画が進行中のとき
重大な計画などが進んでいる最中でいきなり「退職する」と言われるのは、会社だけではなく、一緒に作業をしている周りの従業員たちにも迷惑を掛けることになり、かなり印象が悪くなってしまいます。
これらの時期に退職をすると、切り出すのはどの場面においても会社に迷惑がかかってしまいます。
円満な退職を望むのであればこういった時期の退職を検討するのも避けましょう。
勤めている会社の就業規則を守った上での退職をすること
ほとんどの会社では、「1ヶ月前通告」が会社の決まりとしてあります。
いきなり退職と伝えられても業務上困ってしまったり、人手が足りなくてその後のお仕事内容に迷惑がかかってしまいます。
早い段階で事前に退職のことを知っていれば会社もそれに対して対応することが可能です。
ですので、会社の規定する時期にきちんと従って、1ヶ月前だったり2週間前だったりと、指示通りの時期に退職を伝えましょう。
退職を考えているのであれば、事前に会社の就業規則について確認をしておきましょう。
まとめ
お世話になった会社に退職を申し出るのは申し訳ない気持ちと同時に、どのように伝えたらベストな状態で退職できるのかと不安になります。
ですが伝える時のタイミングや伝える時のポイントをしっかりと意識して、あらかじめどのように伝えるのかを考えておいて、自分の意思を丁寧にかつ冷静に伝えることができれば大丈夫です。
その際には決して自分本位な一方的な物言いではなく、お世話になった会社に感謝の気持ちを伝えつつ、自分の今後のビジョンなどもしっかりと伝えた上で会社に相談するような伝え方をしましょう。
また、会社に迷惑を掛けることだけは避けたいので、しっかりと退職を申し出るのに適した時期なのかどうか、会社の規定はいつまでの深刻なのかしっかりと確認をしましょう。